2017年5月31日水曜日

(146)里山に道を拓く<その八・水無月>


 北インドのエベレスト山塊にあるザンスカール地方には尼寺が五つある。
チューチグザル尼寺の仏画、曼荼羅の拝観を終えて、茶をご馳走になった。
尼僧の英語は訛りがなく、周りでは法衣をまとった僧が「キャー」と燥ぐ
幼子のイタズラをたしなめている。ここは70人ほどのチベット仏教寺院
であり、女学校なのだろう。

 托鉢でいただいた食料や寄付で尼寺は成り立っていると言う。

「子供の頃から、チョコレートのような甘い物は知りませんでした」

「いただいた寄付金でたまには鶏、羊肉を食べますよ」

 信仰を抱いた尼僧の日焼けした笑顔から溢れる白い歯がとても美しかった。

 天に近いここの高地には遮るものはなく、立ち並ぶ霊峰も白く輝いていた。

 

      さあ仕事、仕事 ためらいなき我が絵巻

      盃を止むことなく 自らを誇り謳歌した

      ザンスカール 村人と子羊は 天上に篤い繋がりを持つ

      グローバリズム 曼荼羅 酔いが冷めるまで まってくれ

 
                                                       (会員 片岡一郎)
                   


 

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