2017年5月29日月曜日

(145)四天王寺と野沢菜

 旅をしていて、「こんなところに、こんなものが…」という小さな発見も楽しみの一つです。

聖徳太子が593年に創建した大阪の四天王寺の境内に、「野沢菜原種旅の起点」という

立派な石碑があります。平成28年11月10日に、長野県の野沢温泉村が寄贈しました。

野沢温泉村といえば、その名の通り、温泉、スキー場、野沢菜で有名な観光地です。

 今から250年ほど前、江戸時代中期に、野沢の健命寺の第八代住職・晃天園瑞が

京都に遊学したとき、四天王寺を訪れ、地元名産の「天王寺蕪」を持ち帰りました。それ

が、後に野沢菜になったそうです。

 天王寺蕪は、与謝蕪村も「名物や蕪の中の天王寺」と詠んでいますが、栽培が難しく、

明治末ごろにはすたれました。今、「天王寺蕪の会」というグループが、この伝統野菜の

復興に取り組んでいるようです。

(写真は「野沢菜原種旅の起点」碑です)     (会員 井上年央)



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