2016年11月30日水曜日

(39)里山に道を拓く<その弐・師走>

 古希を迎えて、振り返れば多くの旅を重ねてきた。

 空へ、海へ、陸路へと様々な乗り物を乗り継ぎ、興奮を覚えながら道を急いで目的地へたどり着く。そして、感動と経験を積んで糧としてきた。

 ここ3年、北インドの高地にあるラダックのゴンパに通っている。

 デリーの空港から1時間経つと、標高5、6千mの白峰の冠が手に届きそうな近くにまで連なり、着陸寸前の錯覚に陥る。

 崑崙、カラコルム、ヒマラヤが鬩ぎ合うGREAT HIMALAYANにあるラダック。

 ガンジス川の遥か上流の瓦礫の斜面にあるレー空港に着く。標高3360m

 
     地球の白い屋根は怖いほど美しい

     旅人が歩く高地に草木はない 溜め息をつく

     厳しく 貧しくとも 篤い信仰を抱くラダッキー

     酒を飲もう その謎が解けるまで
 
(会員 片岡一郎)=11月1日の(12)里山に道を拓く〈壱〉の続報です。
 

 

2016年11月24日木曜日

(38)旅ペン東西合同例会で湖西の高島へ

 旅ペン東西合同例会は、湖北の里・菅浦(長浜市西浅井町)から、湖西の高島市へ。古民家を移築した1棟貸の宿泊施設「風結い」で昼食を楽しみました。調理は、地元のグループ「美食倶楽部」です。名付けて「発酵食弁当」(1500円)。

 内容は、無農薬米ご飯を含めて全9品。甘酒漬け焼き鮭、鶏レバーひしお漬け焼き、里芋の素揚げ&発酵タレ添え、発酵豚肉のパテなどです。食べるほどに、体に良さそ~~うな感覚に包まれるから不思議です。

 「風結い」を運営しているのは、地元のNPO法人「結びめ」です。役員は10人ほどだそうですが、「美食倶楽部」を含めた仲間と心を結び、地域を元気にするさまざまな活動をしています。高島市内に工房などを構える木工、陶芸、染織、ガラス、アクセサリーなどの作家が連携し、オープンギャラリー「風と土の交藝」を2017年2月24、25日と、3月3、4日に開きます。

 2日間の東西合同例会は、この後、解散場所のJR大津駅へ。みなさん、お疲れさん!また会いましょう!  (会員 井上年央)



(37)歴史の里「菅浦」


 旅ペン東西合同例会の2日目(24日)、最初の訪問地は、琵琶湖北端の集落「菅浦」です。昔は、陸の孤島でした。現在は、もちろん陸路で行くことができ、69戸約150人が暮らしています。
 
 
 鎌倉時代から明治初年までの1255通に及ぶ「菅浦古文書」が、貴重な史料として有名です。村の生活実態が、克明につづられています。また、淳仁天皇(758年即位)の隠棲地の歴史があります。
 
 集落の入口にある「四足門」は大きな石を重しにして固定してあり、敵襲があると大石をどかせて門を倒し、行く手を阻んだそうです。須賀神社の参道からは琵琶湖の眺望が楽しめます。この神社、ご利益というか、ジンクスというか、選挙に出る候補者が必勝祈願に訪れると、必ず当選しているそうです。  (会員 井上年央)
 


 

 

 

(36)昨夜のお宿は長浜市の老舗「浜湖月」

 旅ペン東西合同月例会の昨夜(23日)のお宿は、長浜市の琵琶湖畔にある長浜太閤温泉「浜湖月」でした。100年の歴史がある老舗ですが、今年、完全リニューアルしたばかりで、木の香も漂う気持ちよさです。

 夜のお料理は、この旅館伝統の懐石料理で、目も舌も一夜の思い出を刻みました。部屋は、洋室、和室合わせて8室とこじんまりしていますが、全室に風呂がついています。大浴場には露天の壺湯が3つ。眼下は琵琶湖です。

 和風旅館の一つの楽しみは、箱庭のようにしつらえた朝食だと思います。さて、湖北の歴史の里「菅浦」へ向けて出発ですが、浜湖月の駐車場に、クラシックカーの「ロンドンタクシー」がありました。まだ




 
現役で、宿泊客の送迎に使っているそうです。乗ってみたかった。 (会員 井上年央)

2016年11月23日水曜日

(35)日本旅のペンクラブ合同例会「慶雲館」

 長浜市の「曳山博物館」を見学した後は、夕刻にJR長浜駅近くの国指定名勝「慶雲館」を訪れました。ここは、明治19年秋に明治天皇皇后の行幸啓を迎えるために、地元の豪商・浅見又蔵(1839~1900年)が私財を投じて建てたお屋敷です。

 今も、玉座、犬養毅の揮毫などが残されています。現在は、長浜市が所有、長浜市観光協会が指定管理者になって有料公開していますが、毎年の「盆梅展」会場になることでも有名です。

 来年の盆梅展は第66回を迎え、1月7日から3月12日まで開かれます。樹齢400年という梅もあり、広い座敷に見事な盆梅が並べられ、初春を祝い、早春を呼びます。今回は、県内の信楽高校の生徒が制作した「鉢」も登場するとか。今から楽しみです。 (会員 井上年央)



(34)旅ペン東西合同例会「曳山博物館」

 日本旅のペンクラブ東西合同例会の初日の23日、昼食の後は、長浜市の「曳山博物館」を見学しました。毎年4月15日を中心に開かれる「長浜曳山祭」は、羽柴秀吉が長浜を治めたときから始まりました。平成12年にオープンした曳山博物館には、曳山2基、祭の呼び物「子ども歌舞伎」の台本、衣裳などが展示されています。特別に写真撮影をさせてもらいました。

 曳山は全部で13基あります。長刀山は毎年、祭に登場しますが、後の12基は、順番に4基だけが祭を飾ります。従って、それぞれの山は3年に1回、見ることができます。

 長浜は、昔から「仏壇」作りという伝統工芸の歴史があります。曳山も、その技術を生かして作られています。この11月末には、長浜曳山祭が、ユネスコの無形文化遺産に指定されます。それを記念して、来年の曳山祭は、例年の4基だけでなく、特別にすべての「山」が登場します。
(会員 井上年央)



(33)旅ペンの東西合同例会

 日本旅のペンクラブの東京周辺の会員と、関西部の会員が顔を合わせる「東西合同例会」を23、24日に、滋賀県湖北地方で開いています。初日は、20人余が、JR、新幹線の米原駅で集合。昼食は、長浜市の「鮎茶屋かわせ」です。

 田園風景の中にある名店です。料理の写真は、左手前が、ビワマスのなれずし(こけらずし)、右がビワマスのお造り、左は子鮎の揚げ物です。他に、鴨肉の小鍋、子持ち鮎の丸干しが出ました。

 古民家の風情がある店内で、旅ペン東西の会員が、東京言葉も関西弁も気にせず、談笑中です。  (会員 井上年央)



 

2016年11月22日火曜日

(32)故郷の新荘川はニホンカワウソの最後の撮影地

 「水辺のフォトジャーナリスト」の高野です。先日、故郷の高知県須崎市の新荘川(しんじょうがわ)で、落ちアユの産卵を撮影してきました。漁業組合の方の協力も得て、朝から夕刻までの撮影が続き、迫力のある

 
産卵風景が撮影できました。

 さて、新荘川は1979年に、ニホンカワウソが日本で最後に撮影された場所です。もう37年も前のことです。河童伝説の原型ともいわれるニホンカワウソは、大正から昭和初期にかけて、毛皮にするために乱獲されました。1965年に特別天然記念物に指定されています。

 須崎市のシンボルキャラクター「しんじょう君」は、ニホンカワウソがモデルです。今年は数千の応募の中、「クマモン」を抜いて全国1位に輝きました。自然豊かなアユの産卵風景を通して、ニホンカワウソの棲む川として日本最後の砦になった新荘川を紹介しました。 
 (会員 高野弘)

(写真は、透明度抜群の新荘川と、しんじょう君をはさんで、左が楠瀬・須崎市長、右が筆者です)
 

2016年11月21日月曜日

(31)上海のあふれる魅力を皆さまに


  12月9日から大阪で写真展
 
 「魅力満載都市 上海」写真展を、12月9日から18日まで、フジフイルム大阪サービスステーション コミュニティギャラリー(大阪市中央区備後町3─2─8 大阪長谷ビル3階)で開きます。上海観光親善大使を務めている私、本堂と、日本上海撮影隊の作品をご覧ください。

 会期中の11日午後2時から2時45分まで、「写真で訪ねる楽しい上海」をテーマに講演会も開きます。写真展、講演会とも無料です。

 
 上海は見るものすべてがフォトジェニックです。“西洋と東洋、そして世界が見える、新旧、そして未来が見える”。来年は日中国交正常化45周年です。多くの日本の皆さまに上海を訪れていただきたいと思っています。   (会員 本堂亜紀)

 
 

 
 

(30)とっておき 京都の紅葉「大徳寺」

 
 
 
 
 大徳寺の塔頭「高桐院」の紅葉は、あまりにも有名です。高桐院は また伝説のガラシャ夫人のお墓もあり その前に立つ秀吉と千利休との因縁の「頭のかけた灯篭」など、この高桐院には数々の歴史が今もなお語り継がれているです。

 見事な参道の紅葉、苔むした屋根に散るもみじ 方丈前のお庭の真っ赤に敷き詰められた落ち葉でも 有名。高桐院のもみじの素晴らしさは 他の追随を許さないのです。

 毎年ここの美しさの加減で、今年の紅葉は美しいとかダメだとか・・・・。お話し合うのが、紅葉を写し続けているカメラマンの 常。それほど皆に愛される高桐院を、紹介することに致しましょう。 (会員 池田能久)
 

【正式名称】 高桐院こうとういん)(京都市 北区紫野大徳寺73-1)
 

2016年11月20日日曜日

(29)京都の食事案内本「同志社グルメ100選」

 京都観光の楽しみの一つは、やはりグルメでしょう。私の母校、同志社大学の卒業生が経営している京都の名店紹介「同志社グルメ100選」が出版されましました。

 発行プロジェクトをを立ち上げ、7年越しで温めた企画でした。京料理のお店はもちろん、和洋中のお店の歴史やエピソード、経営する同志社OB、OGの人となり、などを書き綴りました。

 京都のグルメ本は数多くありますが、「同志社グルメ100選」は、私も編集に携わり、ユニークな内容になったと思っています。同志社今出川キャンパスの「ハリス理化学館」で販売中(定価1200円)です。    (会員 早内高士)


(28)とっておき 京都の紅葉「善峯寺」


京都の西山で輝く「善峯寺」

 京都の西山にも 多くの紅葉の名所は存在します。本日は その代表格の「善峯寺(よしみねでら)」を、ご紹介。 

右京区の大原野の奥へと足を進めると 京を一望できるおおきく立派で素敵な寺「善峯寺」に出会うことができます。臥龍松がことに有名ですが、秋の紅葉のシーズンはもみじの見事さを堪能したいお客様で 賑わいます。
 
徳川綱吉の生母桂昌院のおおきな寄進で立派に蘇ったこの寺は、境内をゆっくり楽しんでめぐることが出来る まさに京都が誇る寺院なのです。ことに今 紅葉の季節は、素敵な出会いが皆さんを待っていてくれるので 是非 この時期にお出かけを。   (会員 池田能久) 


(京都市西京区大原野小塩町1372)
 


 

 

 

2016年11月19日土曜日

(27)和歌山県日高町は「徳本上人」生誕地


 江戸時代の清貧の念仏行者「徳本(とくほん)上人」は、現在の和歌山県日高町で1758年に生まれました。地元に、誕生院というお寺があり、徳本上人像や、徳本文字といわれる、丸みをおびた「南無阿弥陀仏」の墨蹟などを所蔵しています。

 徳本上人は2歳のとき、月に向かって「南無佛」を唱えたといわれます。1818年、江戸で入寂するまで、全国に残した石碑は1000基に及ぶそうです。来年10月には、徳本上人200回忌が営まれます。

 そこで、地元では、今年2月に「徳本さんで日高おこし隊」を設立しました。多くの旅行者に来ていただきたいと、不肖私が会長になりました。徳本上人が食べていた「はったい粉(オオムギ)」の土産品作りなども考えています。また随時、情報を発信します。(会員 湯川泰嗣)

 (写真上は、徳本上人像、下は、徳本上人の伝記絵巻の一部)



2016年11月18日金曜日

(26)とっておき 京都の紅葉「真如堂」


見事に紅葉した 今年の真如堂

  今年の京の紅葉は 昨年とは全く違うのです。一週間から10日も早く色付き初め、もう あちこちのもみじ場は ピークを迎えています。

 皆さん急がねば。ここ数年「やっぱり京都のモミジも11月末あたりが良いかな???。12月に入らねば」などと話していたことを思うと、今年は昔に舞い戻ったかのよう。皆さん元気を出して 外出せねば。行動せねばなりません。

昨日の朝早く 朝日を浴びた 真如堂の紅葉を撮りに行った来ました。一昨日のNHKのニュースに流れたせいか カメラマンが多く その後たくさんの観光客が 訪れたとの事。真如堂のモミジ達は、今が最高とばかり 皆さんのお越しを待っています。  
(会員 池田能久)

(京都市左京区浄土寺真如町82)
 


 

 

2016年11月16日水曜日

(25)とっておき 京都の紅葉「東寺 小子房」


   東寺 小子房の 銀杏の三段紅葉

 本日は、京都でもあまり知られていない とっても素敵で驚く 銀杏の木をご紹介いたします。写真を見てください。快晴の今日(16)の青い空に生えて輝く 一本の銀杏の木。

 本当に 美しいけど どこか不思議に 思われませんか????。そうです この 東寺は小子房(しょうしぼう)のイチョウの木は 上から黄色 赤色 黄色 と、三段に分かれているのです。これは 250年以上の 樹齢の銀杏の木にハゼノキが ヤドリキしているからなのです。

この秋の特別公開で見て戴けますが、来年から先はもう開けることはないと東寺の方が お話されれている小子房の庭で皆様のお越しを待っています。

 12月の4日まで、是非お越し下さいませ。 (会員 池田能久)

(京都市南区九条町1)



 

(24)和歌山県日高町で「クエ」を食う


 冬の味覚は、カニとフグ…。「お魚・・オットトー!」ちょっと待ってもらいましょう。クエを忘れちゃ、いませんか。和歌山県の海岸の町、日高町では、1981(昭和56)年から“クエのまち”として、大々的にPRを始めました。

 巨大魚のクエは、一口にいいますと、綺麗な白身に脂がのっているのに、あっさりとして上品な味です。お造り、寿司ネタ、天ぷら、皮は湯引き、と何でもできますが、やっぱり鍋料理は逸品でしょう。

 味噌鍋…じゃなかった、手前味噌な話ですが、私は日高町の役場職員時代に、クエを「町の宝」として売り出しました。2002(平成14)年に定年退職して、クエを食えるペンションを始めてしまいました。今年、初入荷の天然物のクエは、鍋なら40人前の大物でした。和歌山県でただ一人の日本旅のペンクラブ会員ですが、クエは万人に食べてもらいましょう。  (会員 湯川泰嗣)



(23)台湾の野柳(イエリョウ)…誠に不思議な光景


「野柳(イエリョウ)地質公園」は、台湾最北端近くの東シナ海に突き出た岬海岸一帯が潮風や荒波に浸食されて、奇岩怪石群となった公園です。鍾乳洞みたいなもので、有名なのは「女王頭=別名クレオパトラ」に代表されています。訪れた人が写真を撮るのに群がっていますので、直ぐにわかります。

台湾の人は写真好きで、グル-プでも全員がデジカメをもっていて、みんながカメラで写し終わるまで撮影場所を動きません。日本でも同じことかもしれませんね。自然の力を再認識させてくれる光景です。

最近、再訪問してみると、入口近くに観光客用に「撮影用女王頭のコピ-像」を作っていました。すごいサ-ビスです。

 ユニ-クな名前では・・・クレオパトラ・おっぱい岩・ロ-ソク岩などの海触石乳です。  (会員 西條繁)

(参照資料は、http://ja.wikipedia.org/wiki/ 野柳風景特定区)

   写真は、上から ①撮影用の女王頭(別名クレオパトラ)のコピー岩②おっぱい岩 
              ③これが、当初訪問時の女王頭 ④ローソク岩
 
 
 
 
 

 


 


2016年11月15日火曜日

(22)とっておき 京都の紅葉「金戒光明寺」


「むかし黒谷さん、いま金戒光明寺」の紫雲のお庭

  今年の紅葉の早いこと早いこと。この勢いだと 11月中に終わってしまいそうな予感がします。いま私がご案内している「金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)」の 見事に紅葉している 「紫雲(しうん)の庭」を、今回は ご紹介いたします。

 早くから色付き始めた「紫雲の庭」は、今がピークと 見るものを感動の渦に・・・。陽射しの当たらない奥の池の周りはまだまだ先に美しくなろうかと思いますが、昨年に比べると 一週間から10日間 早い気がする美しさ。
 
 12日からの ライトアップも今は人が空き 行かれるのならここ数日が、賢そう。皆さん家から飛び出し、自らの足で 自らの目で 感動をいただきに行こうではありませんか。  (会員 池田能久)

   (京都市左京区黒谷町121



2016年11月13日日曜日

(21)とっておき 京都の紅葉「西賀茂エリア」


  人影も少ない 京の西賀茂の見事な紅葉

 
 鷹峯の地までは 毎年多くの方が訪れられるのですが、今回紹介する西賀茂の寺社は本当にひっそりと佇み 京の雅の美しさで溢れています。
 
 一番北に位置する「霊源寺」。このお寺はかの岩倉具視氏が 動乱期に 数年身を寄せた門跡寺院。その次は比叡山の 借景で有名な「正伝寺」。「一様院」「招善寺」と続きます。

 観光客の皆様は、ほとんど来られないのが魅力です。京都を囲む三方の山裾には、数々の知られざるもみじの名刹が、存在 致します。皆様も これを機会に、足を4踏み入れて見ては 如何でしょうか?????。   (会員 池田能久)
 
写真は上から
 
 ① 正伝寺 (北区西賀茂北鎮守庵町72)
 ② 霊源寺 (北区西賀茂北今原町)
 ③ 一様院 (北区大宮薬師山東町16)
 ④ 招善寺 (北区大宮西野山町)