2018年3月1日木曜日

(204)里山に道を拓く<その17・弥生>


 
ちょっと前に、重慶から三峡下りを試みた。

 河幅、2.3キロの巨大な三峡ダムができて久しい。上流にある多くの
史跡を水没させるために、長い間自国の識者や国際世論の反対は続いたが
話し合いの予知はなく、110万人農民には僅かな札束で追い出した、
と聞く。  

 長江、雲南省の内陸部深くは激流が続くが、重慶からこの時期は赤茶の
ねっとりした緩やかな流れで、延々と上海まで続き巨大な河道・物流の要
である。

 4,605t、全長97m、4層の「三国号」は派手派手しいドラゴン
風味の姿。中には美容室、サウナ、フィットネス、マサージ、医務室がある。 

里山には晩秋長雨が続き、間伐材を積んだ重機が新道を集積基地まで往復を
重ねるために、キャタピラが雨水と土をカキ回し揺さぶり、泥川となる。

 この大雪で山と泥は、冬眠のさなか。春にはコンクリのような道になる、と。

 

   あ〜あ〜 川の流れのよう〜に ゆ〜る〜や〜かに〜

   オニイサン オニイサン 三国号は囁く

   ワタシ 2万円 ドウデスカ

   ムスメもワタシも あわれは同じ 酒器に手をのばす

                        片岡一郎(会員)

 

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