2017年6月30日金曜日

(152)里山に道を拓く<その九・文月>

 標高50mの北陸の緑多い里山で育ち、旧家の一人娘が東京の学校で学び
結婚した。夫は大阪の電気会社の技術者として幸せな家庭を築き、子供達の
成長を待って夫の定年を機に、妻の実家に戻り母と共に暮らしている。

 夫は日々好んで自宅裏山の緩やかな谷のケヤキ巨木の上にある雑草、低木、
笹を刈り取り、山水画のように石を並べて沢の様相を整えたが。

 近年、大雨が降るとこの家の裏、脇の水路に水が溢れる。と、老婆は役所
に対応を迫る。

 中国チベットの国境未確定のアクサイチン(中国実効支配地域)が0キロに
接するヒマラヤ山脈の北インドSPITI渓谷は標高3千mを超え、両岸は岩の
巨大な衝立が何双も続き、古くから人の道があった。

 今は人間の匂いはない、軍事道路である。

    何を張り合ってる 草木 小鳥の声 獣も何もないじゃないか

    ダイナマイト キャタピラー 銃器を持つ者達たち

    お前たちが生まれる前から モンクがラサに向かった佛の道だ

    いい雪代がある 焼酎飲んで行け

                                                (会員・ 片岡一郎)
 
 

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