2018年6月6日水曜日

(244)蛍が棲むまち ─風景写真家 村田勝英


 県道86号線(兵庫県)に並行して流れる有馬川に、数えきれないほどの

蛍が飛び始めた。周辺は閑静な住宅地である。自宅から、ゆっくり歩いても

10分ほどだ。19時半を過ぎた頃だった。申し合わせたように、川に生い

茂る草むらのあちこちから蛍が点のような光を放ち始めた。

 遠くの方で子どもの喜ぶ声がした。40代の男性が、ファインダーを覗い

ていた私に尋ねてきた。見ると三脚を持っている。この人も蛍の撮影に来た

ようだ。



私は、蛍の保護・育成に尽力されてこられた方々に感謝し、シャッターを
 
切り始めた。草むらや川面を飛ぶ蛍火は幻想的だった。まるでアニメの世界
 
に入り込んだような気持ちになった。時計を見ると時刻は21時をとっくに
 
過ぎている。そろそろ蛍も遊び疲れて消灯時刻なのだろう。私も自宅に
 
戻って一杯やることにしよう。  (2018年6月2日)


【撮影データ】カメラ:ニコンD800E/マニュアル/ズームレンズ:
 
24mm~85mm・80mm~400mm/三脚:ハスキー/感度:
 
ISO4001000/絞り値:f5.611/露光時間:30秒に固定。(撮影は、
 
蛍を保護するため地域が定めたルールに従いました。撮影後の作品は、色調、
 
明暗、コントラストなどを補正又は調整しています)
 

 
 
 

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