古い町並みを残そうと、国が全国各地で選定する伝統的建造物群保存
地区。大阪府内では、富田林市の「寺内町(じないまち)」1カ所だ
けだ。町のおこりは戦国時代。証秀上人が建立した興正寺別院を中心
に、いわゆる自治都市として誕生。江戸時代は幕府の直轄地になり、
酒造りや、物流の要衝として大きく発展した。その程度の情報を頼り
に9月24日、初めて行ってみた。豪商の屋敷群を散策していると、
ちょっとオシャレなカフェや、食事処もあり、時間がゆっくりと流れ
ている。
近鉄電車の大阪阿部野橋駅から河内長野行の準急に乗り、約30
分で富田林駅に着く(片道440円)。南口を出ると、目の前に「とん
だばやしきらめきファクトリー(観光案内所)」があり、寺内町のイラ
スト地図をもらった。このエリアは南北6筋、東西7町の道路が整然と
交わり、道に迷うことなく歩きやすい。駅前から南へ伸びる「城之門
筋」は「日本の道百選」にも選ばれている。歩くだけなら小一時間で回
れそうだ。
ランチは、和遊膳「おおにし」というお店で、ワンプレート(税込み
900円)に。ローストビーフ、卵焼き、天ぷらなど色とりどり。おや
つは、富田林の名産・エビイモのコロッケ(1個100円)。適度な粘
り気と、甘さが印象に残る。
さて、立派な屋敷巡りは、まず旧田中家住宅。明治25年に建てら
れ、平成16年には、富田林市に寄贈された。無料で屋敷内を見学でき
る。「じないまち交流館」では、町並みなどの案内ビデオを放映してい
る。「旧杉山家住宅」は重要文化財で、歌人の石上露子(いそのかみ
つゆこ、1882~1959年)の生家だ。屋内の見学は有料。イラス
ト地図では、20カ所ほどの住宅、寺院が紹介されていて、それぞれに
趣がある。
そうそう、寺内町から西の方向に白い大きな塔が見えでビックリする
が、これは、PL教団の大平和祈念塔(高さ180m)だ。
(会員・井上年央)
写真は上から ①富田林駅前から伸びる「城之門筋」
②富田林市の所有で見学自由の旧田中家住宅
③重文の旧杉山家住宅
④食事処「おおにし」
⑤「おおにし」の900円ランチ
⑥エビイモを使った名物のコロッケ
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