4月3日、私は「さくらの名所」として名高い吉野山を訪ねた。
吉野山は、1990年に日本さくら名所100選に選定されているが、
吉野町公式ホームページによれば、桜が多い理由について「吉野山
の桜は山岳宗教と密接に結びついた信仰の桜」として保護され、
現在に至っているとのこと。さらに2004年には「紀伊山地の霊場と
参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録されている。
豊臣秀吉も錚々たる大勢の武将を伴って花見に訪れた吉野山。
西行法師に憧れて吉野山を訪れた松尾芭蕉は、弟子の坪井杜国を
伴って訪れたときには
雲雀より空にやすらふ峠かな
と詠んでいる。
このように古くから歴史に登場する武将や文人墨客が花見に訪れた
吉野山だが、今日では外国から訪れる大勢の観光客で賑わっている。
私が30年前に初めて訪れた頃とは随分と異なる光景だ。だが変わら
ないのは私と土産物だ。
「千円かぁ」
と、心の愚痴とは裏腹に、土産物店で柿の葉ずしとビールを買い、無料
休憩所で一杯。
ホ― ホケキョ キョッ キョッ キョッ キョッ ホ― ホケキョ
私には鶯の鳴き声が
ホー ホットケ トケ トケ トケ トケ ホー ホットケ
と聞えるのはどうしてか。
青空が広がる吉野山。微風に花びらが舞い散るうららかな一日だった。
(会員・村田勝英)
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